あなたを愛したいくつかの理由

 次の日──

「……」

 ばつが悪そうにベリルの隣を歩く。

 観光中なのだが、昨日の事が思い出されて顔を伏せた。彼はいつもと変わらずに接してくれているが、まるでだだっ子のように感情をぶつけた自分が恥ずかしかった。

「こういうトコが子どもなのよね」

「ん?」

「なんでもない!」

 慌てて首を振る。そして、どこまでも優しい彼に涙が出そうになった。昨日、買った服を着てくれている。


 数日をシドニーで過ごし、帰りは飛行機でダーウィンに戻った。

「あー楽しかったぁ」

 家に入って大きく伸びをする。

 まだそんなに長くいる家じゃないのに、懐かしく思えるのは不思議だ。あと2ヶ月くらいでこの家ともお別れなんだな。

 ベリルともお別れ……突然に襲われた不安に肩を落とした。