「……」

 次も同じような岩なのかなぁ……彼女は退屈そうにあくびをしたが、ベリルと一緒にいられる事は嬉しくてそれを考えると楽しかった。

 何も無い赤い荒野、考える時間は無限にある。

 昨日の夜はちょっと強引だったかしら。告白すらしてないのに、なんであんなコトしたかなあたし。と過ぎていく風景を眺めながら考える。

 告白してなくても、なんかもうすでに彼はあたしの感情を知ってるみたいだし。

 それ知っててあえてスルーを決め込むなら、あたしだってガンガン攻めるわよ! ……という彼女の決意にはまったく気づかず、彼は車を走らせる。

 途中にあるガソリンスタンドで補給や食糧を調達し、ウルルに到着した。

「……」

 うん、バリングラよりはいい感じかも。やっぱりのっぺりとした岩だけど。

 ベリルはさして興味を示さない彼女に一瞥して小さく笑い、ここでもしばらく歩いたあと少しのサバイバル術を教えてシドニーに進路を取った。