「!」

 彼が立ち上がると途端に不安が胸を締め付ける。

「……」

 入り口の方を一瞥して、ソフィアに視線を移す。

「仕事は決まっているのか」

「あ……まだ卒業したばかりで」

「ふむ……」

 少し考えたあと口を開いた。

「もし希望があるのなら私が紹介してもよいが」

「!」

 お仕事、紹介してくれるの? それは有り難いけど……特に決めて無かったから、いきなり訊かれても解らない。