あなたを愛したいくつかの理由

「やってみたらどうだ」

「! 何!?」

「本気か? きさま」

 男たちが驚くのも当然だ。ソフィアも耳を疑った。

「嘘だと思うな」

 ギロリと睨み付け、その引鉄(ひきがね)を引いた。

「きゃっ!?」

 弾丸は甲高い音を立てて、一瞬の火花を散らし跳ね返る。

「! ……特殊ガラスか!?」

「残念だったな」

 刹那──ベリルはライフルを手にしている男の膝に蹴りを入れた。

「ぐおっ!?」

 痛みでかがんだその頭にひじうちをかまし、ライフルを奪い取って投げ捨てる。

「!? きさまっ!」

 次にハンドガンを持っている男の銃を左手で掴み、そのあごに右肘をお見舞した。

「なっ!?」

 残った1人が慌ててナイフを取り出すよりも速く、スローイングナイフを近距離から右腕に投げ刺した。