しばらくして、肉の焼ける良い匂いが漂う。

 パンと薄切りの牛肉にアスパラガスがアルミの皿に乗せられソフィアに渡された。

「……」

 なんか質素……それでもまだ生肉がある今は贅沢なんだ。

 数日後には干し肉になるってベリルさんが言ってたもの。

 ソフィアは薄切り肉をフォークに刺して口に運ぶ。

「! 美味しい!」

「それは良かった」

 ブランデーを傾けてニコリと微笑む。貴重な食料を減らさないために、今回ばかりは食べないらしい。

 余分には持ってきているけど、もしものために取っておくんだとか。