「ベリルさんは……恋人作らないんですか?」

「! ……私には恋愛感情は無い。元より欠落している」

「それでも、好きだって言ってくる人がいたら?」

「死なない相手を好きになるのは不幸だよ」

 柔らかだが、寂しげな瞳がソフィアを見つめる。

「それでも……っ!」

 詰まらせた声を振り絞って続けた。

 彼は目を細め、彼女から視線を外して宙を見つめる。

「同じ時間を生きられない事に耐えられる者はいない」