あなたを愛したいくつかの理由


「このマークはなんですか?」

「!」

 ナイフに刻印されているマークを指さした。

 切っ先を上に向けた剣の柄に1対の翼、その後ろには盾を簡略化しただろうと思われる図が描かれている。

「私のエンブレムだよ」

 苦笑いを浮かべて続ける。

「一人前になるとエンブレムを造る者も多い」

「へえ……」

 改めてエンブレムを見つめた。