昼過ぎ──

「……い、一緒じゃないのよ~!」

 トレーニング用の服に着替えて彼と向き合う。

「同じではないよ」

「どこがですかぁ~?」

 彼は構えを解き説明を始める。

「傭兵としてなら打撃技をメインに対処法なりを学ぶが、リリパットならばむしろ素早くどう対処していくかを学ばねばならん」

「それのどこが違うんですか?」

「根本的に仕事の内容が異なる」

 言いながら壁際に置かれているソファに向かい、ソフィアもそれに続く。

「傭兵はいかに戦い、生き残り遂行するかが重要だ。しかし義賊には相手を倒す目的はあまり無い」

「……?」

「リリパットはハンターと傭兵に重なる部分が多くあるが、主立った仕事は依頼主の大切なものを取り返す事だ」

 戦う事が仕事ではない……彼はそう言って目を細めた。