「? 連絡は来ていないのか」

「初めて知りました……」

「……そうか」

「それ……父の?」

 青年の肩に提げられているバッグに目を向ける。

「すまない」

「え?」

 ぼそりと発した青年を見上げ首をかしげた。

「私の責任だ」

「どういう意味ですか」

「私が指揮を執っていた」

「!?」

 彼女は目を見開いたあと、強く拳を握りしめギロリと睨み付けた。

「なんであなたみたいな人が!?」

 どう考えたって父さんの方が経験もあって落ち着いてるのに、なんでこんな人が指揮を執るのよ!

「あなた、名前は?」

「ベリルだ」

「!?」

 父さんが言ってた素晴らしい傭兵ってこの人のコトなの!?