「VIPルームの人と付き合いたいなぁ~」
教室につくまで、サヤのVIPルーム話は続いた。
サヤがそこまでこだわるVIPルームとはなんだろう。
ほんの少しだけ興味があったけど、すぐにその考えを打ち消した。
だって、貧乏人のあたしには何の関係もなさそうな話だったから。
VIPなんて言葉、あたしにはとても似合いそうにないもん。
そりゃ、もう高校生だし……恋の一つや二つしてみたいけど……
残念なことに、あたしは恋愛経験0だった。
「じゃ、またあとでね~!!」
教室に担任と思われる先生が入ってくると、サヤはブンブンと手を振って自分の席に戻っていった。



