王子様の甘い誘惑【完】


「……遅いなぁ……。今日は帰ってこないのかなぁ……」


時計の針は23時を回った。


出掛けていったっきり帰ってこない蓮を、あたしはずっと待ち続けていた。


一緒に食べようと思って作っておいた豆腐ハンバーグはもうすっかり冷めてしまった。


先にお風呂に入るのも少しだけ気が引けて、待っていたらこんな時間で。



「遅くなるなら連絡くらいしてくれたっていいじゃない」


……って、連絡先交換してないし無理か。


ていうか、何であたし、愛する旦那様を待つ奥さんみたいなの!?


ありえない。


やっぱり先に食べちゃおう。


待っててあげる義理なんてないんだから。



「でも、やっぱり一人で食べるのは……寂しいよなぁ」