王子様の甘い誘惑【完】


「……なんだこれ」


「納豆チャーハン」


4人掛けのダイニングテーブルに腰掛けると、あたしは怖いものでも見たような顔をしている蓮を眺めた。


驚いているその顔すら様になるなんて、ちょっぴり悔しい。


「なぁ、何でこれネバネバしてんだよ」


スプーンで納豆チャーハンをすくいながら顔を歪める蓮。


ネバネバしてて当り前だよ。


納豆が入ってるんだもん。


「味は保証するよ。見た目はあれだけど、案外美味しいから食べてみて?」


ためらっている蓮より先にスプーンを口に運ぶ。


「美味しい……!」


お母さんが作ってくれる納豆チャーハンとは少し味が違うけど、上出来だ。


パクパクと食べ続けるあたしを見て、蓮はほんの少しだけためらった後、渋々スプーンを口に運んだ。