王子様の甘い誘惑【完】


「まず飯だ。腹減って死にそう」


リビングに入るなり、買い物袋をあたしの前にかざす蓮。


「……はいはい!ちょっと待っててよ!!」


今、家に着いたばっかりなのに。


ちょっとくらい休ませてくれたっていいのに。


それに、あたしはあんたのお母さんじゃないんだから!!


心の中で悪態をついた後、あたしはフローリングの床に荷物を置いてキッチンに向かった。