王子様の甘い誘惑【完】


「あたしね、文化祭の日……見たんだよね。ユキ先輩が理生にキスするとこ」


「えっ……?」


「約束してたでしょ?一緒にユキ先輩のクラスに行くって」


「約束してたけど……」


「だから、理生のこと探しにいったの。そしたら偶然……見ちゃってさ」


「サヤ……あたし……」


思わず驚いて目を見開くあたしを見て、サヤはクスクスと笑う。



「そんな驚かないでよ~」


「だけど……」


「具合悪くて保健室行くって言ってたのも嘘。ずっと隠しててごめんね?」


「サヤ……」


不意打ちだったとはいえ、サヤの好きな人であるユキ先輩とキスしてしまったのは事実で。


それをサヤに見られたなんて……。


サヤがユキ先輩を想う気持ちを……誰よりも知っていたはずなのに……。


「サヤ、あのさ……――」


そう言いかけた時、サヤは首を左右に振った。