王子様の甘い誘惑【完】


胸のモヤモヤの原因はユキ先輩だけじゃない。


サヤにユキ先輩とのことをずっと隠していたから……。


サヤの気持ちもユキ先輩の気持ちも知っていながら、あたしはずっと逃げていたんだ。


サヤを失ってしまうのが恐くて……。



「理生。何か泣きそうだよ?」


「え……?」


「あたしのことなんて、気にしなくてもいいのに」


すると、サヤはニッと柔らかい笑みを浮かべて、あたしの頭を撫でた。


「サヤ……それって……」


どういうこと?


あたしは首を傾げてサヤを見た。