王子様の甘い誘惑【完】


「気持ちよかった?」


き、き、気持ちいい?ありえない!!


「別に、そんなんじゃ……――!!」


慌てるあたしに満足そうな笑みを浮かべながら、蓮はあたしの耳にそっと口元を寄せた。



「今度、もっと気持ちいいことしてやろうか?」


あ~……、もうダメ。


なんか足がガクガクしてきちゃう。



「じゃあ、また後で」


クックと余裕そうな笑い声を残して、屋上から出ていく蓮。


「……そんなこというなんて……反則だよっ!!」


あたしはその後ろ姿を見送ってから、ヘナヘナとその場に座り込んだ。