蓮が一方的に別れを告げただけで、愛子さんの蓮への気持ちは未だに続いてる。
今、蓮と付き合っているのはあたしだけど……この先どうなるかも分からないんだ。
可愛い愛子さんと自分を比較して、自信がなくなる。
もちろん、蓮を好きな気持ちだけは愛子さんに負ける気がしない。
だけど……――。
「お前がどう思っていようと、俺はお前が好きだから。この気持ちは変わらない」
「本当に……?」
「あぁ。どうせユキから聞いたんだろ?俺と愛子が昔付き合ってたって話」
「……うん。全部聞いた。それと……あたし、蓮の部屋で勝手に写真を……――」
「写真?」
「そう……。本棚の奥にあった蓮と愛子さんが一緒に写ってる写真……勝手に見ちゃったの……。ごめんね」
「別に。確かに俺は愛子と付き合ってたけど、それはもう昔の話」
「……うん」
「だから、気にすんな。今日のことは、お互い忘れようぜ?」



