王子様の甘い誘惑【完】


「ご褒美は?」


「……はい!?」


それはもしや、嫌々ながらも頑張って文化祭にやってきた蓮へのご褒美ってこと!?


ん~……。でもまぁ、確かに蓮はあたしのお願いを聞いてくれた。


男の人に絡まれていた時も、蓮がいたから難を逃れたわけだし……。



「分かった。ご褒美って何がいい?あたしが出来る範囲のことで……」


「理生ができることなら何でもいいわけ?」


「うん……。あたしができるなら……いいけど……?」


そう答えた瞬間、蓮は口の端をクイッと持ち上げた。


それに気付いた時、あたしは自分の発言をすぐに後悔した。