王子様の甘い誘惑【完】

「すげぇ、疲れたんだけど」


蓮は芝生の上にゴロンと寝転んで目を閉じる。


あたしはその横に腰を下ろして、蓮の顔を覗き込んだ。


ミルクティー色の髪が太陽の光に反射してキラキラと輝いている。


王子様のようなその風貌に思わず見惚れてしまう。


……口を開かなければ、完璧な王子様なんだけど。



「……なぁ。聞いてんの?」


耳に開いたたくさんのピアス。


一個、二個、三個……何気なくピアスの数を数えていると、不意に蓮があたしの腕をグイッと引っ張った。