王子様の甘い誘惑【完】


「あの……――!!あたし……――」


あたしには王子様のようにカッコイイ彼氏がいます!!


そう言おうとした時、あたしの体が何かの力によって引っ張られた。



「人の女に気安く触んな」


「……蓮……!!」


あたしの腰をガシッと掴みながら蓮は男に冷たい視線を向ける。


あたしは突然のことに、呆然としながら二人のやり取りを見つめていた。



「……あ~……彼氏いたんだ?またね!!」


「またはねぇよ。今度手出したらタダじゃおかないからな」


鬼のような形相を浮かべる蓮に睨まれて、男の子は逃げるように教室から出ていった。