王子様の甘い誘惑【完】

クラスごとに作られたTシャツを着て手を繋いで歩く。


蓮とは学年もクラスも違うから、お揃いのTシャツじゃないけど……


それはそれでいい。


……って考えたりして、すっごく楽しみにしてたのに。



「俺はいかねぇからな」


蓮は吐き捨てるようにそう言った。



その言葉にカチンときて、


「はいはい!!もう蓮なんか知らないもん!!」


ムキになって、言い返しちゃったあたしもあたしだ。



同じベッドにいるのに蓮との距離が遠く離れちゃったみたい。


背中を向けられると無性に寂しくなる。


結局、昨晩の出来事をあたしはかなり引きずっていた。