「ん~まだ分かんない。どうして?」
「ううん、ただ羨ましいなぁ~って。あたしもユキ先輩と一緒に回れたらいいのになってさ」
サヤは照れ臭そうにそう言うと、止めていた手を再び動かした。
サヤは本当にユキ先輩が好きなんだなぁ……。
どうにかして応援してあげたいけれど、何をしてあげたらいいか分からない。
でも、一つしてあげられることがあるとすれば……――。
「ねぇ、サヤ。ユキ先輩のクラスってお化け屋敷やるんだって。知ってた?」
「えぇ!?そうなの??全然知らなかった!!」
「明日、ユキ先輩のクラスに一緒に行こうよ?」
「本当!?やった!!すごい楽しみ!!」
サヤは嬉しそうに声を上げる。