「好きじゃない奴に、腕枕なんてするかよ」


蓮はあたしの目に溜まる涙を人差し指で優しく拭う。


「本当に?」


「あぁ。俺はお前が好きだ」


蓮はそう言うと、あたしの体を力強く抱きしめた。


「もう泣きやめ」


子供をあやす様にポンポンッとあたしの背中を手の平で優しく叩く蓮。


その手の温かさに、少しづつ心が満たされていく。