王子様の甘い誘惑【完】


「何だよ、急に」


「いいからいいから。あたしのどこが好き?顔?それとも性格?」


「……理生?」


「うちって貧乏でしょ?こんなあたしが彼女で恥ずかしくない?」


「……なぁ……――」


「蓮は何であたしと付き合ってるの?こんなあたしのどこがいいの?」


「……おい、理生!!お前、やっぱり何かあったんだろ?」


蓮が声を荒げた時、あたしの目から大粒の涙が溢れだしていて。


頬を伝う涙はすぐに枕を濡らしていく。