王子様の甘い誘惑【完】


「なぁんだぁ……。よかった」


ホッと胸を撫で下ろすと、蓮はあたしの頭をポンポンっと叩いた。


「先寝てろ」


「……うん」


蓮はそのままバスルームに向かって歩き出す。


あたしはその後ろ姿を目で追いながら、胸をトキめかせていた。


あ~あ……。あたし、ヤバいなぁ。


蓮と一緒にいると心臓が止まりそうなほどドキドキしちゃう。



あたしは蓮の部屋に入ると、後ろ手に扉を閉めて呼吸を整えた。