王子様の甘い誘惑【完】


「誰が女のところにいくって言ったんだよ。こんなもん持って女のところいくわけねぇだろ」



すると、蓮は手に持っていた黒い何かをあたしの前でヒラヒラと揺らした。



「何それ……?」


黒くて……四角い物……?


ん?何だろこれ。


顔を近づけてマジマジと食い入るようにそれを見つめていた時、ハッとした。


これはまさか……。


「……パ、パンツ……?」


「気付くの遅すぎ」


ってことは、やっぱりこれは蓮の……。


「何でそんなものあたしに見せるのよ……――!!!」


急に恥ずかしくなって蓮から顔を背ける。