王子様の甘い誘惑【完】


「案外、いい声で鳴くんだな?」


ようやく蓮から解放されたあたしは、思わずその場に座り込んだ。


足がガクガクと震えて、立っていることができなくて。


「これからは俺の言うことに素直に従えよ」


蓮は余裕たっぷりの表情であたしの前に腰を下ろす。


そして、あたしの唇を長い人差し指でなぞった。