王子様の甘い誘惑【完】


「黙ってついていくわけないでしょ……――!!」


そう叫んだ時、蓮はあたしの頬にそっと手を添えてクスッと笑った。


頬に感じる蓮の熱。


触れられている部分がジンジンと熱くなる。



「襲えって言ったのは、お前だから」


「……――んっ!!」


低い声と同時に唇に訪れる温かい感触。


えっ……?これって……まさか……――!!


あたしの……貴重なファーストキス。


それを初対面の……


最高にカッコいいけど、最高に性格の悪いこの男に奪われてしまった。