王子様の甘い誘惑【完】


「あ……蓮!!お願い!!バスタオルとって!!」


よかった……。これで安心だ。蓮にとってもらえばいいんだもんね。


「タオル……あぁ、あった。つーか、お前どこにいんの?」


「ここだよ」


「ハァ?それじゃわかんねぇよ」


「だってそれしか言いようがないでしょ?浴槽の扉のそば!!」


暗闇の中であたしは声のするほうに手を差し出してタオルを探す。


「ねぇ、ここだよ!!」


「だから、わかんねぇよ」


でもなかなかタオルを受け取ることが出来ずに、次第に焦りが募り始める。