王子様の甘い誘惑【完】


もー……嫌!!他の客に白い目で見られるし、恥ずかしい!!


「あの……本当に……――」


『すみません』ともう一度謝って事態を収拾しようとした時、どこかへ行っていた蓮が戻ってきた。


そして、あたしとおばさんの間に割って入った。


「おばさん、カルシウム足りてないんじゃね?」


「な、何よ……――!!失礼な!!」


蓮のその一言はおばさんの怒りに更に火をつけてしまったみたい。



「お客様!!どうなさいましたか!?」


再びギャーギャーと騒ぎ出したおばさんを見兼ねて、店長が真っ青な顔でやってきた。




「ありがとうございました~!!」


店員さんの明るい声に見送られて外に出る。


店に入ってからそんなに時間は経っていないはずなのに、おばさんのせいでかなりの体力を消耗した気がする。