「いちいちうるせぇ女」 「だーかーら、何であたしがあなたの命令に従わないといけないの!?」 「いいから黙ってついてこいよ」 「どうしてあたしが……。ていうか、手離してよ!!」 全然、話にならない。 こんなにカッコイイ人も見たことないけど、こんなに最悪な人も見たことない。 「……――もう!離してってば!!」 蓮の腕を振り払おうとしても、その力は予想以上に強くて。 必死に抵抗していると、蓮は眉間に皺を寄せた後、理事長室の壁にあたしの体を押しつけた。