「理生ちゃんのことが好きなら、もう少し優しくしてやらないと」
「うるせぇよ。俺には俺のやり方があるんだよ」
「理生ちゃんはお前のこと優しいって言ってたけど、あんまり冷たくしてると嫌われるぞ?」
ユキ先輩はテーブルの上の灰皿を手に取ると、床に置いてあった水入りバケツに吸殻を放り込んだ。
「で、最後に教えてよ。本当は俺と理生ちゃんが一緒にいるの嫌なんだろ?」
「当たり前だろ。あいつの横にいられるのは俺だけなんだよ。あいつの弁当食えるのもな。それなのにあいつの卵焼きもらおうとしやがって」
蓮……そんな風に思っていてくれたの……?
胸がキュンっと高鳴って飛びあがって喜んでしまいそうになる。
あたしが作ったお弁当、ちゃんと食べてくれてたんだね。
卵焼き……味が薄いのを口実にしてたけど本当はユキ先輩に食べさせたくなかっただけ?
どうしよう……すっごい嬉しいよ。



