王子様の甘い誘惑【完】


「今日、食堂に来て食べたくもないラーメン食べてたのも理生ちゃんと俺が接触するのが嫌だったから?」


「は?」


「昨日、俺が理生ちゃんにパンあげたこと知ってるんだろ?」


「お前、さっきから何が言いたいんだよ」


「パンを返しに来た理生ちゃんと食堂で喋ったのも、知ってる?」


「言いたいことがあるんなら、ハッキリ言えよ」


蓮は苛立ったように腕を組んでユキ先輩を睨み付ける。



「俺はただ、蓮の気持ちが知りたかっただけだよ」


「何でお前にそんなこと話さなきゃいけねぇんだよ」


荒い口調の蓮とは違ってユキ先輩は終始一定のトーンで話続ける。