王子様の甘い誘惑【完】


「ハァ……」


盛大な溜息をついた時、ふとあることを思い出した。


今朝、お弁当を作る時に冷蔵庫を開けたら中は空に近くて。


今日買い物に行かないと夕飯の支度ができない。


蓮のところに行ってお金を預からなきゃ。



「サヤ、ごめん。先教室戻っててくれる?」


「え?どうしたの?」


「今週分の食費を受け取りにいってくる」


「あー……そういうこと!なんか理生、主婦みたいだ」


サヤは「いってらっしゃい」と笑顔であたしを見送ってくれた。