王子様の甘い誘惑【完】



「理生と王子様が知り合いだったなんてビックリだから!!どうしてもっと早く教えてくれなかったのよー!!」


「ごめんごめん。ビックリさせたくて」


「でも……ありがとね。一緒にご飯食べられるなんて夢みたいだったよ」


食堂を出ると、サヤは唇を尖らせながらも嬉しそうだった。



「だけどさ、蓮先輩……どうして理生のこと目の敵にするのかね?」


「あたしのこと困らせて喜んでるんだと思う」


それ以外、考えられないもん。


あたしのこと、好きって言うのもきっと蓮のきまぐれ。


蓮は「好き」って言われてあたしがどんな気持ちになるのか全然わかってない。


蓮の冷たい態度がどんなにあたしを苦しめるか、ちっとも気付いてくれない。