王子様の甘い誘惑【完】


「あ、そうだ。よかったら一緒に昼食べない?」


「え!?いいんですか!?」


「理生ちゃんとサヤちゃんがよければ」


「いいです!!嬉しいです!!ね?理生!?」


顔をパァっと輝かせているサヤに「ダメ」なんて言えるはずない。


サヤの為に一肌脱ごうって決めたんだもん。



「もちろん、いいよ」


あたしがそう答えると、ユキ先輩は「よかった」と満足そうに笑った。



「どうせなら、みんなでワイワイ食べたほうが楽しいもんね」


……えっ?みんな……って……?


何故か嫌な予感がして思わずユキ先輩の視線の先を見る。


「……げっ!!」


食堂の隅にあるテーブル席。


そこにいたのは、テーブルに肘をついてこっちをジーッと見つめている蓮だった。