サヤの言う王子様は、やっぱりユキ先輩だったんだ。 「実はさ……あの先輩……――」 蓮の友達なんだ。 そう言いかけたとき、袋を手に振り返ったユキ先輩とバチッと目があった。 あっ……。気付いてくれたかな……? すると、ユキ先輩はすぐに柔らかい笑みを浮かべてあたし達の元へ歩み寄ってきた。 「ちょっと!!王子様がこっちにくる!!どうしよう!!」 何も知らないサヤは興奮気味にあたしの制服の袖をグイグイと引っ張る。