王子様の甘い誘惑【完】


「実はあたしも先月までその携帯使ってたんだ!」


「サヤもこの携帯使ってたの??あたし、この携帯を人に見られるのってちょっと恥ずかしくて」


「え~?なんで??別に恥ずかしくないって。みんなに化石携帯って言われたけど、今の携帯より化石携帯のが使いやすかったんだよねぇ。買って後悔したかも」


サヤはそう言うと、柔らかい笑みを浮かべた。



……やっぱり、高校の友達第一号がサヤでよかった。


サヤの言葉に心の中がじんわりと温かくなる。


友達って……いいなぁ。



「ていうかさ、早く交換しよっ?」


「うん!!」


あたしがサヤと連絡先を交換し終えた時、


「愛沢、ちょっといいか?」


さっき出ていったばかりの担任が、教室の扉から顔を出してあたしを呼んだ。