王子様の甘い誘惑【完】


どうしよう……何て答えたらいいの?


蓮の胸に顔を埋めると、トクントクンっと一定のリズムを刻む心臓の音を感じる。


その音が、妙に心地よくて。頬を蓮の胸に当てると気持ちが落ち着いた。



「……あれ?もしかして邪魔した?」


すると突然、ガラガラッという不快な音を立てて教室の扉が開いた。


声のする方に視線を移したあたしは、思わずハッと息を飲んだ。


目の前に立っていた男の人が、蓮と同じくかなりのイケメンだったから。



「い、い、いえ!全然邪魔なんてされてません!!」


両手で思いっきり蓮の胸を押し返しながら答える。


「……んだよ。入ってくるならノックぐらいしろよ」


蓮は眉間に皺を寄せながらソファに腰掛けると、不機嫌そうに煙草をくわえた。