王子様の甘い誘惑【完】


「えっとぉ……実はあたしもサヤから聞いたんだけで、詳しくは知らないんだ」


「そんなことだろうと思った」


蓮が喋るたびに、口から吐きだされた白い煙が空中に浮かぶ。



「ねぇ、煙草吸うのやめなよ。先生に見つかったらヤバいよ?」


「別にバレたらバレたでいいんじゃね?」


煙が目に入ったのか、蓮は口に煙草をくわえながら目を細めた。


その瞬間、ドクンっと心臓が激しく鳴った。


あ~!!もうバカ!何でドキドキしてんのよ!!


しっかりしなきゃ!!


「……っもう!ダメだってば!!体にもよくないよ?それに、ここは学校だし!!」


あたしは冷静を装って、蓮の口から煙草を奪った。