「ねぇ、ここって本当にVIPルームなの?」
旧校舎の一番奥にあるこの教室の壁は落書きだらけで、とてもじゃないけどVIPルームという名に相応しくない。
ソファやダーツ、マージャン卓、スロット台。
この部屋にあるものはどれもこれも娯楽遊具ばかり。
VIPルームっていうのは、ただの遊び部屋なのかな?
名前の響きからして、さぞ豪華な設備が完備されてると思ってたのに。
……だけど、この旧校舎の古さからして……
そんな綺麗な部屋、あるはずないか。
「つーかさ、さっきからお前が言ってるVIPルームってなんなの?」
「……へ?知らないの!?」
「知らない」
蓮はポケットから取り出した煙草に火を付けながら首を横に振った。



