ベッドに降ろされたあたしは、エアコンのスイッチを入れる虹ちゃんの後ろ姿をぼんやりと眺めていた。


彼は、脱いだコートとスーツの上着をハンガーに掛けて、ネクタイを緩めた。


その一連の流れは、まるで違う世界のようにも思えてしまう。


「紫の顔、真っ赤……。目も据(ス)わってるし……」


虹ちゃんにそう言われて、また少しだけ頭がぼんやりとし始めたのはアルコールのせいだとわかった。


彼は、あたしのコートを優しく脱がせてハンガーに掛けた後、隣に腰を下ろした。