“最後まで一緒にいたい”と、思っただけ。 「いやだ」 これではコウスケと同じだな、と呆れながらも、そう思わずにはいられなかった。 大きく見開いた緑の目が、僕を見ている。 有名な昔話を思い出した。 月に帰るお姫さま 周りの人は「帰らせまい」と抗うけれど 涙を浮かべながら帰っていったお姫さま 「ナキが好きだから、俺が死ぬまで傍にいて」 ナキは、帰ってしまわないで。