ナキのあの様子を見てしまった時、

自分が今まで長い時間を掛けて調べあげてきたものが、どんなにちっぽけなものなのかを痛感させられた。



ナキは、私の知りたいことをすべて知っている。




本来ならばユウヤではなくて私が追い掛けて問いただしたいところだが、残念ながら私の聞いていい話ではなかったようだ。


とりあえず私はユウヤに言われたとおり、硬直を始めているコウスケの体を抱えながら、衣服を脱がし背中を調べた。




背骨から生えている羽根

皮膚を突き破って生えてきたことを表す根元は、見てて気分のいいものではなかった。



左右対称に小さく生えている羽根の真ん中に、痛々しい傷を見つけた。


恐らくこれが、“薬”を打った痕だろう。


相当深く打ったらしく、一年ほど前の傷にも関わらず、癒えそうな気配はなかった。