夢と同じじゃないか。


夢の俺は確かに呟いていた。

午後8時にレストランprecious stoneに。

と。

黒いシャツは今日玉木が着ているのに酷似していたような気がするし、今日は昨日見たような気がする。


そう思ってたところで俺は考えるのを止めた。
バカバカしい。俺が玉木を刺すって?彫刻刀で?
本当にバカバカしい。
何の理由で。はたまた何の感情をもって。

どうせこんなに悩んだところで、気のせいに過ぎない。
そういった考察が好きな玉木ならまだしも、この俺が難しく考えるだなんて。
長谷川のせいでとんでもないことを思い出してしまった。

玉木にでも話して笑い話にしてしまおう。このままじゃ、胸中がざわめいて、せっかくサボったのに眠れやしない。
俺は中庭に向かいかけていた足を屋上へと向けた。
無意識に、玉木がそこにいる確信を持って。



episode3 END