夜、拓海との待ち合わせ場所へ重い足を運ぶ 既に拓海は来ていて、私に気づくと急いで駆け寄ってきた 「奈々…とりあえず家に行こ?」 「駄目。家は駄目」 家に行けば、雰囲気に流されて言えなくなるのは目に見えている 「どうして?」 「どうしても。そこのファミレスに入りましょう」 「分かった…」 しばらく沈黙が続く 最初に口を開いたのは拓海だった .