橋の手すりに手をかけると、錆びた鉄がザラリと手のひらにまとわりついた。 わたし、 里奈と一緒なんだ わたし、 紗希と一緒なんだ 何も違わないんだよ 世間 プラス わたし イコール 世間。 足したって何も変わらないけど 世間 マイナス わたし―…なら ほんのひとときだけど、わたしがいなくなった後が残る。 ホントに わたしって何? 里奈 「わたしもそっち側に行きたい」