唇を塞いで




「恐かった……」


「ごめん…詩希ちゃん……」


京の体は震えてた



「行こう」


京はあたしの手を握って歩き出した



「ここどこ?」


「わかんない」


「えぇっ?!」


まさか…… じゃあ皆のトコに行けないわけ?


ここからみんなが泊まってる旅館はわかんないだ



多分みんなあたし達二人……三人がいないなんて気付いてない



ど、どうするの?


待って……

と、すると……


「京……これから…さ」


「ん?」