唇を塞いで




「お前、よく転ぶからなぁ…本当に気をつけろよ」


十和が心配そうにあたしの顔を覗く

「うん。」
そんなに心配しなくて大丈夫と言おうと思ったけど、

それは京からの電話で遮られた


「もしもし」


『オレだけど……大丈夫か」


「うん…さっきはごめんね」


「それはいいんだけど…詩希の隠してることって何?』



迷った
言ってしまおうか

でも…

「あたし…アメリカ行くことになった。日にちは決まってないの」



日にちは決まってないなんて嘘