唇を塞いで




「そんな顔しないでよ、ダイジョブだから」


「うん…」


気にするな、あたし



「山内さんは普通科だし、いつもは接触禁止なんだから」



だけど、
あたしが彼女の存在を知るのは
そんなに遅くはなかった




あたしが、先生に頼まれごとを受けて、資料室に行った


その時、いつも誰もいない教室に人がいた



「あ…」


ショートカットで背が高くて、美人な感じ



その人はあたしに視線を向けた



「伊藤さん、坂井くん貰っていい?」